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個性あるライカRレンズ
ライカ一眼レフを支持している人は多くはないわけだが、この数少ない人々は一様にライカRレンズの性能を誉める。まるでライカ一眼レフでなければ撮れない世界があるように。
本当はこれは怖いことで、そんなことはありはしないと言っても、信者たちは聞く耳を持たない。かくゆう私は、Rレンズの性能の個性は認めるけれど、突出した性能があると考えているわけではない。ただし、大事なのはM型ライカ用レンズと比較して、その差異を感じると思い込まないとライカ一眼レフの購入の理由がなくなることである。
したがって実質的に差異が認められないとしても、固い意志を持って、ライカRレンズの描写特性は異なるのであると言い張らねばならないのだ(笑)。
各レンズの描写傾向をここで細かく述べても仕方がないのだが、ライカRレンズで使用しなければならないレンズを数本述べておくことにする。
まずはスーパーアンギュロンR21ミリF4レンズ。これは御存知シュナイダー社のレンズだが、最短撮影距離が恐ろしく短い。この超広角接写により、独自の世界が展開される。M型ライカにはできない芸当である。周辺画質はM型用の同スペックのレンズと比較して、確実に落ちるわけだが、私たちは新聞紙の複写をするわけではないからこれでいいのだ。
次は72年に登場するズミクロンR35ミリF2レンズ。7群9枚構成の恐ろしく重いレンズはその鏡胴内に鉛でも仕込んであるのではないかと思えるほどである。この描写特性はとくにモノクロでの相性が抜群によい。絞っても硬くならない傾向があり、プリントのしやすさに驚かされるほどだ。またボケ味も独自のものがある。人気のM型用ズミクロン8枚構成とはまた異なった評価がされてしかるべきのレンズである。
標準50ミリレンズは悩む。ズミルックスR50ミリF1.4もとても良いレンズだが、ここではズミクロンR50ミリF2レンズを推す。とくに64年から76年に登場した初期タイプのものは、標準レンズはかくあるべしという描写特性があると思う。私は他社メーカーの標準レンズの性能をいつもこのレンズと照らし合わせて性能をはかっている。
このレンズも絞った状況でも焼きやすいネガができ、どこか線の太いような解像力も写真にチカラが出るみたいで良い。私の個人的な好みではF5.6あたりのシャープネスとボケ味のバランスがたまらない。カラーでのやや暖色系の色再現も魅力的なのだ。
望遠系はズミクロンR90ミリF2がいい。これも1969年から登場する初期レンズがよい。M型用レンズと描写特性は同じだが、さすがに一眼レフ用だけあって使いやすいし、開放から芯のあるピントには畏れ入る。ごくわずかに絞ったときの、線の細いぞくっとするシャープネスと、階調再現の良さはまるで中判カメラで撮ったような再現性があるのだ。
以上は私の勝手な論評だが、描写特性をじっくり見てゆくと、ライカ一眼レフ用レンズの味わいには個性があるのだ。これを見極めることができるかどうかということが、ライカ一眼レフ所有者のまずは最初の課題となるわけなのである。
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