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ベッサR2A、R3A
 1999年にベッサLで始まったコシナ製ライカマウントカメラの歴史も、遂に7年目に突入。最初はライカスクリューマウントが装着できるだけのシンプルなカメラだったが、やがてレンジファインダーを搭載したベッサRへ発展。そしてライカMマウントを採用したベッサR2へ進化を遂げた。またベッサシリーズの傍流として、距離計だけを内蔵したベッサT、マウントをコンタックス、ニコンS仕様にしたベッサR2S、R2Cも登場している。これらの機種に共通した特徴は、機械式シャッターを採用したマニュアル露出機であることだ。
 ベッサL登場から今日までの間に、コニカ(現コニカミノルタ)がヘキサーRF、 本家のライカがライカM7を発売。ライカ型レンジファインダー機の世界にも、遅ればせながらAE機の時代がやってきた。
 今回紹介するベッサR2AとR3Aは、この流れに乗って誕生したベッサシリーズ初のAE機だ。これまでのベッサシリーズの流れからすると当然の成り行きであるが、現在のライカにM6TTLとM7があるようにベッサシリーズにもAE機とマニュアル露出機のラインアップが完成。ユーザーはの選択肢は大きく広がった。
ローライフレックス・ミニデジ
ベッサR2A(左)とR3A。ファインダーの光学系が違うだけで、その他のスペックは共通である。
ローライフレックス・ミニデジ

ベッサR2A(上)とR3Aの上面。違うのはファインダーフレームのセレクターだけだ。

操作性抜群の絞り優先AEを搭載
 ベッサR2AとR3Aの最大の特徴は、コシナの発売するベッサスリーズとして初めて電子制御式シャッターを採用。絞り優先AEを実現したことだろう。この結果、電池がなくても作動するというメリットは失われたが、実際に使ってみると絞り優先AEはとにかく便利。いちどこのカメラを使うとマニュアル露出のカメラは使えなくなる。正確にはシャッタースピードのセットを忘れるというべきかも知れないが、最初に絞りを合わせるだけで適正露出が得られることに慣れてしまうと元に戻れなくなる。
 最長8秒までの長時間露光がオートでできる点も絞り優先AEのメリットだ。マニュアル露出で1秒を越える露光を与えようとするとBを利用しなければならないが、AEを使えばシャッターボタンを押し続けることなく長時間露光ができる。
 絞り優先AEで撮影する際になくてはならない機能がAEロックと露出補正だ。このカメラのAEロックは、ボディ背面のボタンを押している間だけAEロックが作動する方式。ボタンの位置は巻き上げレバーのすぐ下にあり右手の親指で楽に操作できる。ただし縦位置に構えたときの操作性はそれほど快適ではない。特に巻き上げレバーを下側にして親指でシャッターボタンを押す構え方をすると右手で操作することが不可能になる。
 露出補正は、シャッターダイヤルを利用する方式で1/2ステップで±2Evの補正が可能。このダイヤルにはロックがないので、とても使いやすい。また露出補正がセットされているときはファインダー内のシャッタースピード表示がゆっくり点滅して知らせてくれる。
 マニュアル露出は、点滅しているシャッタースピードに点灯しているシャッタースピードを合わせることで適正露出を得る方式だ。いわゆる追針式をLED表示に置き換えた方式なので、シャッタースピード優先的にも絞り優先的にも使うことができる。

シャッターダイヤルをA位置に合わせると絞り優先AEになる。このダイヤルは口径が大きく操作がしやすい。シャッターの最高速は1/2000秒だ。

シャッターダイヤルは露出補正ダイヤルを兼ねている。補正ステップは1/2で±2Evの補正が可能。

巻き上げレバーの下にある銀色のボタンがAEロックボタン。押している間だけロックが掛かる。

 

完全等倍ファインダーを実現したR3Aと実用的なR2A
 

R2Aの内蔵するファインダーフレームは35、50、75、90ミリの4種類。35と90ミリは同時に表示される。

R3Aのファインダーは倍率が高いので35ミリ用を省き、その代わりに40ミリ用が入っている。
 AEに並ぶR2AとR3Aの特徴はレンジファインダーの光学系である。特にR3Aのファインダーはエプソンの発売するデジタルカメラのRD−1と同じもので、RD−1の開発に着手する以前からベッサシリーズの新製品用として準備されていたものだという。発売が前後したのでRD−1の流用と思われがらだが、実はR3Aのファインダーは専用に開発されたものなのだ。
 R3Aのファインダー倍率は等倍。等倍といえばライカM3のファインダーが思い出されるが、M3のファインダーの正確な倍率は0・91倍。完全な等倍ではない。これに対しベッサR3Aのファインダーは完璧な等倍である。等倍であるということは両目を開けてファインダーが見られるということ。特に両目で被写体を見ると像が立体的になり、被写体との距離感がつかみやすい。さらに距離計の二重像の濃さのバランスも良く、両目を開けた状態でもピントの確認が容易にできる。またファインダー倍率が等倍であるということは、距離計の基線長がそのまま有効基線長になるということを意味している。つまりR3Aのファインダーは、測距精度の点でも優れているのだ。
 R3Aのファインダーが内蔵するブライトフレームは、40・50・75・90ミリの4種類で、35ミリは省略されている。なかでも40ミリは、コシナの発売するノクトンクラシック40ミリF1・4に合わせたものだが、ライツミノルタCL用ロッコールやローライブランドのゾナー40ミリを装着した場合にも利用可能だ。ただしファインダーの倍率が高いため40ミリのフレームは、視野の周辺に追いやられ全体を見渡しにくい。もう少し視野が広ければ、さらに使いやすくなっただろう。
 R2Aのファインダー倍率は0・7倍。R3Aより倍率が低いが、そのぶん視野が広く35ミリ用フレームを内蔵している。また35ミリ用フレームを表示させたとき視野とフレームの間に余裕があり、視野全体を楽に見渡すことができる。もちろんR3Aのように両目を開けて使用することはできないが、汎用性の高さという点では、こちらのほうが使いやすい。
 R2AとR3Aの距離計の最短測距距離は70センチと、従来のベッサR2に比べ30センチ短くなった。M型ライカは以前から70センチだが、これでM型ライカ用に作られた交換レンズの能力をフルに利用できる。特に広角レンズを使用した際の30センチの差は大きく、パースペクティブを強調した絵づくりが可能になった。

距離計の基線長は38・2ミリ。R3Aのファインダー倍率は完全等倍なので、基線長がそのまま有効基線長になる。これに対しR2Aのファインダー倍率は0・7倍なので有効基線長は26・74ミリになる。
視度補正レンズはアイピースに取り付ける方式。ニコン用の視度補正レンズが利用できる。
ライカ社製のズミクロン35ミリF2を取り付けたR2A。
ミノルタCLE用のMロッコール40ミリF2を取り付けたR3A。

 

高級感あふれる金属製ボディ
 
※写真をクリックすると大きなサイズでご覧いただけます。
 R2AとR3Aの外装はオール金属製だ。またカバーが金属製だけであるばかりか、巻き上げレバー、シャッターダイヤルなどの主要操作部も金属製で高級感がある。さらに巻き上げレバーのシャフトにボールベアリングを新たに採用するなど、見かけばかりでなく操作したときの感触にも気を遣っている。ただしライカと違いシャッターが縦走り式なのでシャッター作動音はやや高めだ。また今回は試用できなかったが、従来から発売されているトリガーワインダーも取り付け可能。左手でフィルムを巻き上げる撮影スタイルも楽しむことができる。

 いずれにしてもベッサシリーズに代表されるレンジファインダー機は趣味性の高い製品である。そんな意味でベッサR2AとR3Aは、持つ喜びと実用性を兼ね備えたバランスの良い製品と言えるだろう。

シャッターダイヤルやシャッターボタン、巻き上げレバーなどの主要操作部材は金属製だ。
巻き戻しクランクは収納式で使用するときに立ち上げる。クランクを収納するとクラッチがはたらき、中央のシャフトのみが回転する。シャフトには小さな赤い点があり、これを見ればフィルムの給送状態が確認できる。
 
シャッターは電子制御による縦走り式。バルブも含めすべての動作に電源を必要とする。
マウントはライカMマウントと同規格のVMマウント。
測光はシャッター幕面からの反射光をセンサーで測るTTL幕面ダイレクト実絞り中央重点平均測光式だ。
ボディ側面にシンクロソケットを装備している。
※写真をクリックすると大きなサイズでご覧いただけます。

 

 

 

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